「スーパーハイスクールセッション」参観感想等

例年、岐阜大学地域科学部&岐阜県教育委員会が共催で行うスーパーハイスクールセッション、これは岐阜県内の指定事業を受けている高校から集まった高校生が、混成チームで毎年与えられたテーマを自分たちなりに解釈して岐阜県の活性化策を考える活動です。


「公共スペース」を活用したHappiness、Agencyの向上

今年は例年の「~を活用した活性化策」的なテンプレ課題ではなく一歩踏み込んでました。先日発表された教育振興基本計画に基づいて設定されたようです。その前提にはOECDのラーニングコンパスやユネスコスクール憲章といった文脈がある、事を押さえておくと今年のテーマに深く切り込めると思います。

https://www.oecd.org/education/2030-project/teaching-and-learning/learning/learning-compass-2030/OECD_LEARNING_COMPASS_2030_Concept_note_Japanese.pdf

https://www2.u-gakugei.ac.jp/~jisedai/contents/2.1.1%E3%80%80%E9%88%B4%E6%9C%A8.pdf

押さえるべきは「場所」よりも「人」

公共空間を利用した例としては自分もよく利用する多治見市駅前駅北ガーデン、美濃加茂市リバーポートパーク、またこの二つに共通する活動である「みずべりんぐ」の紹介がありここは胸熱ポイントでした。
多治見駅北側の虎渓疎水公園は毎年「駅北ガーデン」として夏はビヤガーデンやフリーマーケットでにぎわいます。僕もお世話になってますw
多治見駅を下車して帰宅する際にビヤガーデンやイベントが開催されてることで人が集まる場づくりをしています。またイベントではDJや楽器演奏や歌唱、ダンスなど地域住民の表現の場にもなっていることが重要ポイントです。(場を作る事、よりもそこで人々が何をしているのか、イベントする人たちがそこにどのような思いを込めているのかが重要だと思います。)これらを所管する多治見まちづくり会社や駅北ガーデンの主催者などフィールドワーク対象にすべきポイントが意図的にだと思いますが「それ探すのはたいへんだぞ?」と思ったのここに付記しておきます。(But why?)

リバーポートパークのもう一つの側面

たしかに通称リバポはバーベキューグランピングが手軽にできる、と名古屋圏内の人たちへの訴求力は高いのですが、そちらを前面に出すと地域住民とのつながりが希薄になります。これは県内のあらゆる公的施設が観光客向けに設計されてることで地域住民の活躍の場になりにくいことを示しています。しかし美濃加茂市のケースの場合、例えばNPOはぴねっとみのかも産が中心となってスイーツウォークを実施したり、

川と森の勉強会 を実施し、そういった活動の拠点になっています。

しかしそのことは「施設があるから」できるという意味では重要ですが、やはり、そこで活躍する地域住民のコアになるキーパーソンがいるという事実に触れなかったのは非常に残念です。実際地域フィールドワークに赴き、そういった隠れたキーパーソンを探し当てて話を聞く、というのがフィールドワークの醍醐味ですし、その思いに触れ、触発されることで「自分たちだったら何がしたいだろうか。」とあらたな問いに出会うきっかけになると思います。

もう一つのカギは「幸せとは?」

みなさんが感じている「幸せ」は何に対して感じているでしょうか?様々な「幸福度ランキング」が紹介されましたが、あらゆるランキングは複数の項目を調査した総合得点でランキングされています。とすると、その評価項目を検討する必要があります。つまり「幸福度を測る変数を自分で決める」必要が出てきます。しかも「幸福度を何に感じるかは時代背景、経済状況など様々な要因で変わる」ことも暗に示されました。しかも、皆さんが主体性をもって論じるのであれば「自分たちの将来、どの時期に何に幸せを感じていたいか?」といった未来推計に基づいてその幸せを感じる対象を絞り込む必要があります。その推定をする際の手段として示されたのはリーサスでしたが、実は国勢調査のデータが見られるe-statもおススメです。このブログでも紹介しましたが、「統計学を無料で学べる」で紹介しましたが、こちらでe-statの活用方法についても学べますのでよかったらどうぞ。

課題設定、そして対象となる人物設定。

この二つは前者はSWOT分析、後者はペルソナ分析が使えるんじゃないかと思います。これらはマーケティングのドメインで使われる手法ですが、あらゆる場面で使えるな、と感じているので紹介しておきます。

地域探究「~の活性化」文脈は・・

以上のような点を踏まえるとリサーチクエスチョンや課題解決までのアクション策定も明確化しやすいのではないかと思うので色々試してもらって自分なりの手法を持っておくといいんじゃないかなと思います。(応用が利くので)そういう意味で広く多くの高校生に「題材としての地域探究」を手法とセットで体験することは意味があるかな、と思いましたので紹介しておきます。

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