ベトナム研修の目的(その2)
約2年前の記事です。
この当時は「そんな馬鹿なことがあるか」
という人も多かったでしょう。しかし、
今朝方こんなニュースがありました。
平均給与の話をすると分かりにくいと
思いますが、ビッグマックの価格が
各国の物価に合わせて設定されてるので
これを「ビッグマック指数」として
比較する面白記事もあります。
そう、日本は高度成長期、そしてバブル経済期を経て、
「失われた30年」を過ごしています。そして、
コロナ期後、我々が「発展途上国」と呼んできた
国々が人口増加を背景に経済成長を始めている中で
日本円が弱くなっている現状です。
実際、ベトナムでお土産買った時も全然「安い」って
感じませんでした。むしろ沖縄の国際通りの方が
「あれもこれもそれもあれも」たくさん買える
イメージです。
日本国内では全くそんなことは感じないと
思います。日本通貨で日本国内の製品を買うときは
あくまで1:1のレートですから、問題ありません。
が、日本は長く「輸出大国」として重厚長大製品を
付加価値をつけて輸出し、貿易黒字によって蓄財して
きました。
「が、その潮目が変わりつつある」
このことは海外に出て、実際に身銭を切って
味わうことができます。日本国内ではそれを
感じることができない。
もう一つは人口増加の「勢い」を感じることです。
日本は長らく少子高齢化で競争がない社会を
目指している節があります。かく言う私自身
人との競争よりも「誰でも何かのONLY One!」
じゃないですけど、人と差別化することで
生き残り戦略を考えてきました。
しかし、どうでしょう。
人口(2022年)
🇯🇵 約1億2,395万2千人(世界第11位)参考:統計局
🇻🇳 約9,946万人(世界第16位)参考:外務省
平均年齢(2023年)🇯🇵 48.4歳 🇻🇳 32.7歳
人口で言うと、日本は減少中、ベトナムは増加中で
遠くない将来に1億人を突破します。
平均年齢はグッと若く、数は増えつつある。
この傾向は日本の高度成長期に合致します。
確かに日本はその頃がむしゃらに働き、
立身出世、子どもにはより高い教育を与えたい
そんな空気が漂っていたと、父から聞かされた
ことを思い出します。(実父は昭和5年生まれ、実は。)
よく「あの頃の日本は・・」と言われますが、
正直、体験したことがない時代の空気はどんだけ
話を聞かされようが、映画「三丁目の夕日」を
見ようが「実感なんて湧くわけない」わけです。
ただ、先日視察に行った際、本当にその空気を
感じました。人の波、バイク・車の往来、
喧騒、路上の飲食店・・自分が父親に話を
聞いた戦後〜高度成長期までの「the 昭和」だと
思いました。
翻って、首都ハノイの中心街は日本のオフィス街
と変わりません。イオンのようなショッピング
モールにはユニクロがあり、高級ブランド街も
あり、東京の港区のような空気がありました。
訪問する大学FPT大学は日本で言えば慶應や
早稲田のような位置づけでしょうか。ただ
母体は「ベトナム1位のIT企業 FPT」
さしずめソフトバンクが早慶やってます
みたいな感じで、高校・大学併設なのですが
大学生活はまさに日本のそれと遜色あり
ません。ただ「頑張ったら頑張っただけ
明るい未来がある」という確信を持って
日夜勉学・スキルアップに勤しむ姿は
かつて日本が持っていたそれだと思います。
そんな昭和〜令和が混在するのが
この国だと思います。その空気感を少しでも
「体感」してほしいと思います。
また、この研修ではそのFPT大学の学生さん
との「英語でのプレゼンテーション実演」
「平和についての英語ディスカッション」
そして「旧市街Brother & Sisterツアー」を
計画中です。また、先方との交渉次第ですが
事前学習からオンラインでの交流も考えて
おり「アジアに友達を作ろう!」も目的の
一つです。
ちなみに、FPT大学ではITに力を入れるコースと
経営学に力を入れるコースがあります。前者は日本語
を学びFPTの日本現地法人でのインターンを目指して
学生さんは勉学に励んでいます。ちなみに、ベトナムの
大学はどこも「専攻する内容を全て英語で学ぶ」ことに
なっており、巧拙はあるにせよ英語でのやりとりに
不自由はないレベルでした。(過去のオンライン研修でも
それは実証済み。過去のオンライン研修ではベトナム国内
のさまざまな大学の学生さんがバディとして参加してくれ
ましたが、どのバディも英語でのコミュニケーションに
積極的で「発音が・・」とか言ってないでガンガン
いく感じでした。そんな英語に対しての姿勢も感じて
ほしいと思います。
ただ、今回、FPT大学の学生さんにお願いしているのは
今後、皆さんが高校生活の中で英語学習の目的を
持ってほしいと願っていること、そして大学生に
なる頃やその後の大学生活で彼らと対等に英語で
やりとりできるようになりたいという目標設定に
寄与できればと考えたこと、また、今回のツアーでは
多少英語が苦手でも参加してほしい、だからこそ、
精神年齢的にも少し年代の上の大学生にフォローして
もらいつつ、この日程をやり遂げてほしい、そんな
考えで今回は高校ではなく、大学生との交流にしました。
胸を借りるつもりでどんと行ってきてほしいと思います。
目的を話すつもりが若干内容に踏み込みましたが、
そんな内容「も」あります。ただ、大事なのは
参加する「マインド」を共有して参加してもらえると
「こんなはずじゃなかった」が回避できるのではないか
と考え、今回2回にわたって次年度実施する海外研修の
目的についてお話しさせていただきました。
詳細については次年度のPTA総会にて保護者向けに
説明をさせていただくと思いますので詳細は
また後日展開いたします。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
2025年巳年が皆さんにとって「脱皮、そして飛躍」
の年になりますように。
探究部長 渡部