「地方の活性化策=イオン誘致」の方程式
可児高校探究部です。
さて、新過程に入り総合的な探究の時間もまる3年が
経過しました。本校では1年生は地域を題材に探究活動の
手法を学び2年生は自由テーマ設定、個人探究をメインに、
合理的な理由があればグループ探究も可能なようになって
います。
地域の活性化をテーマにした探究活動のアイデア出し
活動を行うと数グループに1つは「イオンを誘致すれば」
という話になりませんか?大型ショッピングモールと
いうとこの近所にはイオンぐらいしかないわけで
イオンという名前を出しますが、要は大型ショッピング
モール(できれば映画館付き)を誘致orが欲しいという
話になります。
可児市にはイオンはありませんが、
・カニミライブ・Mujiを擁するYoshizuya様があり、
スーパーマーケットも複数点在し、「モノを買う」
ためであれば正直、可児市に住んでいない自分から
すると「十分じゃないか?」と思いますが、
自家用車での移動ができない高校生からすると
徒歩・自転車圏内に「モノを買う場所がない」
ということのようでしたが、「モノ」も日用品
ではなく、たとえば
・ぶらぶらウィンドーショッピングができる場所
・ちょっと感度が高いデザインのモノを扱っている店
・普段使い、というよりはちょっと華があるモノ
・とにかく無料wifiが使える場所
といった要素をひっくるめた総体として「イオン」
という言葉につながってるのだろうな、と推察
するわけです。
ただ、「自分たちが欲しい」というのと、
「地域が活性化する」というものの間にギャップを
感じます。実際に、隣接して私も居住している「土岐市」
にはToki Premium Outletがあり、その隣にはイオンも
あります。が、地域自体がそれで盛り上がったり
活性化したか?といえば生活実感ベースでは
「因果関係なさそう」な気がします。
(もちろん、税収は増えたかもしれません。
▶️あ、こうして「これってどうなんだろう?」と
調べていくことが「探究のベース」になります。)
当然、地代や法人税等税金が地方自治体の税収を潤し、
住民のニーズに即したサービスの提供や再分配機能が
果たされれば生活実感の伴った「地域活性化」の具体
として考えられるかもしれません。
しかしながら、
A:経済効果「あり」→生活実感あり
B:経済効果「あり」→生活実感なし
C:経済効果「なし」→生活実感あり
D:経済効果「なし」→生活実感なし
いろんなパターンがあり得るわけです。
また、
「経済効果をもたらすような商業施設を誘致する」
というプランに対して、それはなぜか?
「経済効果が、地域住民の生活実感の伴う
地域の活性化につながる」かどうか?については
そこの検証は必要だろう、と感じます。
また、大型商業施設の誘致にも資金が必要で、
経済効果をもたらすようなアクションが本当に
大型商業施設であるべきか、他の方法はないか、
そこについての検討を促すべきなのではないか、
と近年感じている次第です。
本当は、今の生活を変えずに、つまり、
Cの
経済効果はないけど、我々生活者の実感がともなう
「地域が活性化した状態」って一体なんなんだろう、
どういう状態を指すんだろうか?
本当はここを考えるべきだったんじゃないかなーと
強く感じます。(どこにだってイオンを誘致できる
わけじゃないですしね・・。もしかしたらその案の
方が、汎用性が高いかもしれないし。)
新年、そんなことを考えていたりします。
今年もどうぞよろしくお願いします。