探究部短信Vol.1
最近、渡部に「栄養系、でも管理栄養士じゃなくて食品化学系やりたいんです」って教えてくれた女子がいました。その人に向けての短信と思いましたが、公共性がありそうなのでこちらで公開します。
(ps:短信と呼ぶには少々長くなりました。)
今朝方こんな情報が飛び込んできました。
理工学系に食品化学!?しかも医学領域融合?これってもしかすると何割かの薬学部系希望者がやりたいことでは?だったら無理して薬学部目指さずに医学系融合の食品化学系を研究してサプリメントとか食品会社狙うのが吉では?ってことも思いました。
群馬大学の組織改編
群馬大学が学部・大学院改編をするという、話なのですが
ソース元(https://www.gunma-u.ac.jp/faculty?fbclid=IwAR0hiWQbgSWnf1fOXjEW5CwRxlmap72UEZK4_0IR0AVffQQCXwQ0SyeEito)も参照。
「理工学部の中に食品化学系がある」文系の僕には到底理解できない動きですが「そういうことってあるんですね!?」という興味を持って読みました。
食品化学ー「食品技術者・研究者」カテゴリー
みなさん学部選び→大学選びの順番で志望校を決めてると思うんですが今や大学の学部の名前もてんでんバラバラに名前つけてますから「訳わからない」ってなると思います。渡部がなっているのでご心配なく。一応、僕なりの大学探し、当たりの付け方をご紹介します。
昨年度総合型選抜の面接試験で関わった生徒さんの1人が栄養士を目指して兵庫県立大学を受験されました。この方は「管理栄養士」という明確な目標と「国家資格を獲得後何を社会でしたいか」明確に像を描いていました。(それが在学期間中に変わることは問題ありません。)
「栄養学」を学んでどう活用したいかによって学部選択は変わってくる。それによって検索ワードも変えていく必要がある、と思います。
検索ワードの違いで辿り着く先も大きく変わります。
本来、栄養学を学んで食品会社の研究員を目指すのであれば
食品技術者・研究者を目指せる国公立大学一覧(15校)【スタディサプリ 進路】 (shingakunet.com)
と検索しないと辿りつきません。
一歩間違えると大変なことになります。
「栄養学 国公立大学」で調べると
管理栄養士を目指せる国公立大学一覧(16校)【スタディサプリ 進路】 (shingakunet.com)
こっちに行ってしまいます。管理栄養士を目指せる国公立となるとそれでも少ないわけですから頑張ってそこに入って「あれ?なんか違う!?」にならないように大学のHPまで行ったら「そこの大学行った後、どうなるの?」ということも調べましょう。
各大学の「卒業生進路先一覧(いわゆる就職した企業一覧)」を見るといいですね。
群馬大学理工学部物質・環境類の進路先一覧は・・
大企業への就職
「その他技術職、の部分がもっと知りたい」でしょうけど・・そういう人はオープンキャンパスでそういう質問をしましょう。正直、高校教員ごときレベルではその先はわかりません。直接、現場の担当者に聞くしかありません。ですが、この情報でもいくつかわかることがあります。
1)食品関係でも・・花王、日清製粉、「聞いたことがある」会社に就職先がある
*にっしんぼーってなんの会社なのかCMでわからない事業内容や給料を調べてみた | よぼろぐ よの冒険記 (boukenki.info)
でも、日清紡って結局何やってるかわからなかったので調べてみました。
主要業務
無線・通信/マイクロデバイス通信機器、情報機器、医用電子機器、その他の電気・電子機械器具および装置、半導体、電子管その他の電気・電子部品の開発、製造、加工、売買および輸出入、ならびに電気・電子機械器具および装置の設置工事の設計、施工および監理ブレーキ自動車、輸送用機械器具用摩擦材の開発、製造、加工、売買および輸出入精密機器特定産業用機械装置、一般産業用機械装置その他の機械装置およびそれらの部品の開発、製造、加工、売買および輸出入、ならびに機械装置の設置工事の設計、施工および監理化学品無機化学工業製品、有機化学工業製品、医薬品その他の化学工業製品の開発、製造、加工、売買および輸出入、ならびに建築、土木工事の設計、施工および監理繊維糸、織編物、不織布、衣服、産業用繊維資材その他の繊維製品の開発、製造、加工、売買および輸出入不動産不動産の売買、仲介、賃貸借および管理その他再生可能エネルギーによる発電および電気の販売、ならびに低炭素社会および循環型社会の構築に資する素材、機械器具および装置の開発、製造、加工、売買および輸出入
その他適法な一切の事業 ーなんでもやってんじゃん。
正直こういうBtoBの企業って僕ら一般消費者にはピンとこないですが、いくらテレビcmの単価が下がってきてるとはいえ、ゴールデンタイムに全国cm打てる企業なんて大企業に決まってます。規模で考えるなら、そういう時間帯にどんな企業がcmやってるか?って目で見れば無駄な時間はありませんよね。
食品じゃないけどとにかく聞いたことがある企業の名前がある
アキレス(靴だよね?)清水建設*パナソニック、JR東日本、日立、三菱・・
*清水建設といえばこのcmだよね
おそらくこういったところは工学系のコース・ゼミじゃないといけないとは思うけどこういったところへの就職ができる、ということはわかリましたね。 ますます「その他技術職」の人たちがどんな企業に入ったか?を知りたくなりましたね。つまり「大看板」として挙げている花王、日清製粉以外にどんな所に行ってるか?が一番「ありそうな就職先」*でもあるからです。
*だってそんな所に行けるのは全体のごく一部でしょう。
大学選びも立派な「探究」
そう思うと、週1回水曜日の「総合的な探究の時間」で個人レベルで「何を学びたいのか」を掘り下げ、別途プライベートの時間(土日に)週30分「大学選びの探究」をするといいんじゃないかと思います。はっきりいって3年生になってからこんなことを悠長にできません。「心のゆとりがある今しかできない」と思ってもらっていいと思います。
今日の話はあくまで「例」です
群馬大学のそこにあるなら、、「じゃ、東海3県ではどこの大学?」「関西なら?カントー地方では??」と類推してほしいです。文系の人も「理系って大変だなぁ・・」ではなく「俺、経済やりたいって思ってたけど、経済ってもうちょっと具体的に何がやりたいんだろう?」って考えてほしいと思います。つまり「栄養学」というラベルでは包括するエリアが広すぎて「そこであなたがやりたいことはできそうですか?」ということまで思考が至らない可能性がある訳です。ですから「経済学部の中でも行動経済学をやりたい。ナッジ。英語の教科書で1年生でやったし、公共政策にも活かせるかも、っていうから自分が行政職に就いたら何か県や部署の施策に活かせるかもしれんから」これぐらいのストーリーを描けるといいです。つまり「気になり始めたきっかけ」から大学を経由して「社会で何やりたいか?」が一直線で描けること、そのゴールからバックワードで大学でやりたいことが「繋がっているか」その2点で大学選びができるといいですね。そのための準備ができるのは1〜2年生の間ですよ、ということです。2年生はここから冬までの数ヶ月。限られた時間の中、オープンキャンパスは今、夏、冬、春。今のオープンキャンパスは3年生を当て込んでるとは思いますが大学を実際に見られるのであれば参加しない手はありません。ぜひ、生の大学を複数見て「大学を見る目」を養ってほしいと思います。そうすれば「他の大学、じゃなくて、『〜だから』この大学に決めた!」と言えるはず。そういう生徒が求められてる入試を実施する大学もあるので、そういうことも調べましょう。